主任講師寺薗真衣の中医学コラム「中医学ってどうやってべんきょうするのん?」⑨
国際薬膳学院 主任講師 寺薗真衣の連載コラム
中医学ってどうやって勉強するのん!?
国際薬膳学院の主任講師の寺薗がお送りする連載コラム、毎週月曜日に更新しております!
第9章「西洋医学と東洋医学を行き来する」
こんにちは!
栗の渋皮煮のお写真をアップされているかたをちらほらお見かけするようになったことよりも、電車で咳こんでいる人の人数が増えたことで、秋を感じている主任講師の寺薗です(笑)
ちなみに私は秋の一番の好物は蓮根です!
秋刀魚のシーズンも到来ですね!
そろそろ秋の乾燥シーズン到来、マスクしなきゃーとか、保湿クリーム塗らなきゃー!と思いながら、まだ桃や白きくらげを食べるくらいにとどまっています。
中医学の理解を深めるためには、中医学の知識をベースに西洋医学に目を向けてみるのがおすすめです。
今回は、これからの乾燥シーズンに気になるお肌をテーマにお話ししてみたいと思います。
皆さんの「美肌」の定義はなんでしょうか。
透明感のあるみずみずしいお肌
くすみのないハリツヤのあるお肌
化粧品のCMのようなうたい文句こそが美肌の定義でしょうか。
中医学の世界では、美肌=陰が充実している
となんとなく理解しているものの、それってなんでしょうか?
・・・と言われると陰=体の中の水分全般(血+津液)を補う⇒補陰・滋陰
ですが、なんとなくスッキリしない、と思いませんか?
こんな時、中医学の視点を持ちつつ、西洋の解剖学を見るととてもしっくりきます。
************************
美肌って、一言で言いますが、
ただ潤いがあればいいでしょうか?
皮膚(表皮)がカサカサ出なければ美肌でしょうか?
そうではないですよね?
「乾燥に負けないくすみのないハリツヤのあるお肌」
というのを分解すると
・乾燥していない
・血色がよいこと
・お肌に弾力があること
・ツヤがあること
と4つの要素から成り立っています。
では、まずは西洋(現代)の観点から中医学をみてみると、
乾燥していない・・・表皮を主る肺が充実している
血色がよい・・・血の巡りがよい・・・瘀血がない・・・肝の疏泄作用と蔵血作用が整っている
お肌の弾力(真皮組織のコラーゲン)がしっかりしている・・・肌肉が充実している・・・脾の機能が整っている
艶がある・・・五華の顔・・・心が充実している
そうすると、中医学的に
・肺・脾・心・肝が良い状態であること
それに付け加えるならば、これらの五臓すべてが動くパワーの源(腎)が充実していること
となり、なんだー!全部じゃないか!!!
となりますよね(笑)
もちろん、健康的な美肌のためには、お肌の状態だけでなく、精神状態も大切なキーポイントになります。
精神的にも体調的にもボロボロだけど、外見だけはなんとか!と塗るスキンケアだけでは持続力がないのは、内面が大きく関わっているからなわけです。
このなかで、自分の一番足りていないものを最重要ケアポイントとして調整をかけていくのです。
また、この五臓の状態は中医学に見てから、さらに、西洋医学的な検査データに現れていないか、あらわれていなくても、以前と比較してどんな感じなのか?
(弾力がおちてきたのか、乾燥が気になってしわが目立ち始めたのか…などなど)
というのをまたさらに西洋医学、解剖学的な観点からも観察してみて、西洋医学と東洋医学の考え方を行き来して、自分を徹底的に分析してみて下さい!
きっと、なんとなく美肌のために白きくらげ…と思っていたけれど、私は長芋のほうがいいかも、とか、わたしは黒きくらげのほうがいいかも!などなど、自分のベスト美肌食材を見つめなおすきっかけにもなるはずです!
お肌以外でも洗いざらい徹底分析して、新しい自分を発見してみて下さいね!
2016.09.12