主任講師寺薗真衣の「中医学ってどうやって勉強するのん?」⑫
国際薬膳学院の主任講師の寺薗がお送りする連載コラム、これからは曜日変更!毎週火曜日に更新していきます!
第12章「表裏について考える②肺と大腸」
こんにちは!
主任講師の寺薗真衣です。
急に寒い!!蕪がおいしい季節になってきましたね!
「五臓六腑の勉強をするときに、臓にはそれぞれ対応する腑がある」
ということで、先週は臓と腑のあり方についてお話ししました。
臓腑の表裏関係とは、
肝⇔胆
心⇔小腸
脾⇔胃
肺⇔大腸
腎⇔膀胱
このように対応していますが、皆さんはなぜこの臓腑が表裏関係にあるのだろうか、と疑問に思ったことはありませんか?
西洋医学のイメージで行くと、
腎⇔膀胱
肝⇔胆
脾⇔胃
これらは解剖学的に近くに存在しているので、割と納得しやすいと思います。
しかし、心と小腸、肺と大腸は、解剖学的には到底つながらないですし、存在している場所もとっても離れています。
ではこれらをどのように理解していけばよいでしょうか。
今回は肺と大腸に絞って考えを深めていきたいと思います。
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中医学では
肺・・・呼吸として清気を取り込むところ
大腸・・・大腸に至るまでに取り込んだ水穀の精を吸収したのこりかす(糟粕)を出すところ
という定義があります。
これを噛み砕いて解釈した時に、
フレッシュな気に満ち溢れた気体(質が良い気)を取り扱う肺
必要なものがもう残っていないカスの固体(いっときも早く出したいもの)を取り扱う大腸
これは身体にとって正反対のものを扱っていると言えます。
もう少し突っ込んで解釈すると
肺は必要なものを外から取り込み、邪を取り込まない様に選別していて、
大腸は身体の中の不要なもの出し必要な水分は取り込めるように選別している
・・・いかがでしょう、急につながってきませんか?
「取り扱うものが正反対」つながりです!
実際、肺が弱いアレルギーの人は、便秘がちな方が多い、というデータがあるそうです。西洋医学的にはただの臨床データの傾向にすぎませんが、中医学をもってすると、これは全く違和感のない状況だと思います。
ちなみに、アトピーと喘息持ちだった私はどちらかといえば便秘がちです。やっぱりね!そうよね!と思います。
これは私の解釈ですが、肺の弱い人は、フィルターが弱いため、身体に気を取り込むときの基準が甘く、身体に邪が入りやすい。結果、出す時の基準も甘くて溜まりがちになる。
そして(私だけかもしれませんが、少なくとも私に関しては)取り込んだものを出しにくい、というところから、買ったものも捨てにくいです(笑)
いわゆる、モノをすてられない人です(笑)
体質が性格に影響しているなぁ~と思う事象の一つです。
そう言って体質のせいにせず、たまには断捨離も頑張らないとな、とおもう今日この頃でした。
2016.10.11