主任講師寺薗真衣の「中医学ってどうやって勉強するのん?」⑪
第11章「表裏について考える①」
こんにちは!
主任講師の寺薗真衣です。
白きくらげの季節到来ですね!
五臓六腑の勉強をするときに
「臓にはそれぞれ対応する腑がある」
ということを学びます。
習い始めた時、西洋医学的な考えでは到底つながりそうにない部分が対応していることに、
なかなかしっくりこず、丸暗記から入ったことを覚えています。
(振り返ったらわたし、序盤丸暗記ばかり!(笑))
とりあえず覚えた後、暗記から理解に変えるために、何度も何度も繰り返し勉強を重ねるのですが、西洋医学的な理解から東洋医学のうらが取れた時、すっと頭になじんで理解に代わるのだなぁと日々実感しています。
今日はそんな「臓腑(表裏)」についてお話ししたいと思います。
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臓腑の表裏関係とは、
肝⇔胆
心⇔小腸
脾⇔胃
肺⇔大腸
腎⇔膀胱
のように対応しています。
何故これらを対応するものと考えていいのかは、次回じっくりお話しするとして、
今日はざっくりと臓腑のトラブルについて掘り下げます。
中医学では、臓器を臓と腑に分けて考えます。
臓とは中身の詰まったもの、腑とは空洞の管状のものという定義があります。
中身が詰まったもの、と定義されている「臓」は詰まっているのが健康な状態。
主に何が詰まっているかは臓によりますが、その中身が足りないと良くない状態になります。
例えば、肝血虚 心血虚 脾気虚 肺気虚 腎陰虚・・・などなどです。
臓は足りない状態を補う「補」の方針がメインになることがわかります。
それに対して、「腑」はどうでしょう?
腑はほとんどが消化管の一部ですが、なかみが空っぽの状態がよいとされています。
つまり、詰まっていると良くない状態になります。
例えば、胃内停水 便秘 膀胱湿熱 大腸湿熱 小腸実熱・・・などなど。
ドロっとしたものがうまく管を通らず、熱をもってトラブルが起こる、という流れが多いですね。
なので、腑はつまりを出す「瀉」の方針がメインになることがわかります。
臓腑、とまとめられると、どうしても一つ一つを見るのを忘れてしまいがちですが、漢字には一つ一つ意味があります。
意味を読み解くと、丁寧にひも解くことができるのが中医学の面白いところです。
次回は表裏関係にある臓腑に注目して、理解を深めていきたいと思います!
どうぞよろしくお願いいたします!
2016.10.03