主任講師寺薗の連載コラム「中医学ってどうやって勉強するのん?」⑲
第19章「津液と冷えを考える」
こんにちは!
主任講師の寺薗です。本年もよろしくお願いいたします!
いやぁ!さむいですね!
冬か夏かどちらが好きかと言われれば、断然冬ですが、寒いのが平気なのではなく、暑いのが嫌いだから、な私です。
寒い季節、冷えることで様々なトラブルを起こします。
そんな冷えにダイレクトに関わるのが身体の水分「津液」です。
さらさらと流れるものを津、濃厚なものを液。合わせて津液というわけですが、
(津(しん)はツ(津)ーっとながれると覚えています。笑)
身体の冷えにはこの津液の津のほうが関わっています。
今日はそんな津液について考えてみたいと思います。
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津液とは、体内に存在する赤くない液体成分を指します。
赤くないということは血液以外、ということですが、
リンパ液や骨髄液のように見た目から透明な液体と判断がつくものから、
皮膚や髪の毛などの細胞の中に含まれる水分も津液になります。
元々は身体に必要な水分で、熱を持っている気や血によって
身体が熱くなりすぎないようにラジエーターのような役割も果たしているわけですが、これからの季節は、この身体ひんやり機能が前面に出るとつらい季節になります。
寒いとおしっこが近くなるのはなぜか?考えてみましょう。
一見、おしっこをつくる腎・膀胱の働きが活発になっていると捉えてしまうと、寒い季節、腎の苦手な冷えによって活発になるなんておかしい!なぜ??となってしまいます。
西洋医学的には、皮膚からの発散が落ちて体液の排出経路が尿メインになることや、血管が収縮して末端に血流が行き届かなくなることで、体幹の血流量が増え、心臓に負担がかかるため、排出しようとすることによると言われています。
中医学的には、腎の過活動となるのですが、
単純に津液が多くあることによって体が冷えすぎない様に出している、と言ってもいいのかな、と思っています。
そして、それに伴って腎に負担がかかり、腎が疲れ、弱りやすくなる。
弱って気が不足したところに邪気が入れば、膀胱炎や尿路感染症などにもなる。さらに膀胱湿熱の状態になる。
こんな感じです。
頻尿は、まずはトランス状態になった膀胱を落ち着かせること(トイレに行ける状態で我慢してコントロールすること)
必要以上に外に出ない様にきゅっと引き締めておくことも大切です。
(きゅっとしめるといえば、蓮の実ですね!)
冬は冬眠の時期。臓器も冬眠中「閉臓」の時期です。
やさしくいたわって、パワーを発散させないよう守りつつ、気を補いながらきたる春を待ちましょうね!
今年はのんびり更新します!(笑)
2017.01.10